top of page

学術集会長挨拶

 この度、第14回日本神経理学療法学会学術集会の学術集会長にご指名いただき、本学術集会を仙台市で開催させていただくことになりました。会期は、平成28年11月26日(土)~11月27日(日)の日程で、仙台市民会館を会場として開催いたします。大変光栄に感じていると同時に、身の引き締まる思いがいたします。 テーマは「脳卒中理学療法最前線」といたしました。脳卒中理学療法は、エビデンスの不十分な中で進められた過去の経緯を大いに反省し、エビデンスの構築に向けたこれまでにない様々な取り組みが精力的に行われています。昨今の神経科学の進歩、ならびに工学的革新を背景に、これまでにない速度で進化しはじめ、次々と新しい提案がなされつつあり、本領域の発展には大いなる未来があるものと期待されます。前者には神経科学を背景とした脳卒中理学療法の介入方法の提案、後者には革新的な装具の開発と普及、ロボティクスの開発と臨床応用、治療的電気刺激や経頭蓋磁気刺激、経頭蓋直流電気刺激などのneuromodulation toolの効果検証を経た運動療法との併用、リアルタイムに計測可能な各種評価機器を用いたこれまで可視化できなかった治療効果の検証などがあり、いずれも脳卒中理学療法の有効性を問い、より良い方向へ発展するための取り組みです。

 

 講師陣は、まさに脳卒中理学療法の最前線におられる先生方をお招きしております。基調講演では、ニューロリハビリテーションについて、本領域の第一人者である兵庫医科大学リハビリテーション医学教室の道免和久教授より解説していただく予定です。教育講演では理学療法士が最も関わる機会の多い、脳卒中片麻痺者の歩行トレーニングについて、最新のエビデンスを基に、どのような介入をなすべきかについて京都大学医学研究科の大畑光司先生にご解説いただく予定です。メインシンポジウムでは、高次脳機能障害に対する理学療法と題して、理学療法士が関わることで患者様の改善に直接的に貢献できる可能性のあるpusher 症候群、半側空間無視、失行をテーマとして取り上げ、また、トピックスシンポジウムでは、neuromodulation toolの臨床実践をテーマとして、複数の先生方からそれぞれの立場でプレゼンテーションしていただき、実りのある討論ができればと考えております。ワークショップでは急性期と回復期と維持期をつなぐ連携をテーマとして、昨今、取り上げられる機会の多い装具の連携を取り上げ、精力的な取り組みをなさっている先生方にご講演いただきます。また、これまでの一般的な臨床での理学療法のあり方をしっかりとみつめ直すため、症例報告と討論を中心とした4つのプログラム(学会指定参加型演題 脳卒中例の下肢装具療法と歩行トレーニング、学会指定討議型演題「重複重度障害例に対する理学療法ーベテランに問うー」、セレクション討議型演題「脳画像と理学療法」、セレクション討議型演題「症例検討」)を予定しています。これらのプログラムは全て公募型のシンポジウムの形式をとっており、”我こそは!”と思われるたくさんの臨床家からの応募をお待ちしております。

 

 東日本大震災の激震地であった宮城は震災から5年が経過し、皆様の温かいご支援をいただきながら、復活を遂げようとしています。この仙台の地から日本各地、そして世界に向けて理学療法のエビデンスを発信していただきたく存じます。

 最後になりますが、本大会が素晴らしいものとなるためには、会員皆様の参加が不可欠です。積極的な演題登録とご参加を心よりお待ち申し上げております。 


 

 


                                                    平成28年2月吉日

 

第14回日本神経理学療法学会学術集会 学術集会長

広南病院リハビリテーション科総括主任

 

阿部 浩明

第14回日本神経理学療法学会学術集会

       学術集会長        阿部 浩明

bottom of page